住宅ローン関連

フラット35の金利や借入限度額などメリット・デメリットを徹底解説

悩んでいる人
悩んでいる人
  • フラット35がどんな住宅ローンなのか知りたい
  • フラット35を利用するメリットを知りたい
  • フラット35の借入限度額を知りたい

こんなお悩みを解決します。

住宅ローンには各社さまざまな特徴がありますが、その中でも住宅金融支援機構の提供するフラット35は、他の住宅ローンと違う特徴を持っています。

今回は、フラット35の金利や借入限度額、そのメリット・デメリットなどお伝えします。

■この記事の執筆者

  • 金融機関と住宅会社に勤務経験のある独立系FP
  • 年間100棟以上販売する住宅会社で営業部長の経験あり
  • Webライターとして不動産関連・金融関連の記事を年間500記事以上執筆

金融機関や住宅会社に勤務経験があり、その後FPとして独立。専門性を活かし、金融や不動産関連の記事を年間500記事以上執筆しています。

FP逆瀬川
FP逆瀬川
2022年になりアメリカが利上げを開始したこともあり、全期間固定金利のフラット35は安心して利用しやすいといえます。

住宅ローン全般に関しては以下記事で解説しています。

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フラット35とは?

フラット35は住宅金融支援機構による住宅ローンで、全期間固定金利で利用できるという特徴があります。

全期間固定金利とは、借入期間中ずっと同じ金利で利用できるというもので、金利の変動リスクがない分、他の金利タイプと比べると高い金利設定となるのが一般的です。

ただし、金利が変動しないため、借りた後に金利が高くなった場合にお得になるといえるでしょう。

金融機関は窓口になるだけ

フラット35は、多くの金融機関で利用できますが、金融機関は窓口になるだけ、という特徴があります。

通常、金融機関で住宅ローンを借りる場合、その金融機関がお金を貸しますが、フラット35の場合は取次をするだけなのです。

このため、フラット35は民間の住宅ローンに比べて事務手数料が高いのが一般的です。

通常、金融機関はお金を貸して金利を受け取ることで利益を得ますが、フラット35の場合は取次をするだけなので、事務手数料を多く取らなければやる意味がありません。

ただし、フラット35はその仕組み上、保証料がかかりませんので、トータルで計算すると安くなることも多いです。

フラット35の金利の決まり方

フラット35の金利は借りた月の金利で、借入期間中ずっと固定となります。

この金利は、毎月変動するため、少しでも安い金利で利用できるタイミングを知っておきたいところ。

フラット35の金利の決定には長期金利の指標となる10年国債利回りが利用されます

10年国債利回りって?

10年国債利回りは日本の10年もの国債の利回りのことで、ニュースや日経新聞で日経平均株価と共に毎日発表されているので、見たことがある方もいらっしゃるでしょう。

日本国債は日本国民や銀行などによって買い支えられていると言われ、他の金融資産と比べて安全資産として人気があることもあり日本の10年国債利回りは非常に低い水準となっています。

こうした背景もあり、ここ数年の低い10年国債利回りに連動し、フラット35も低い金利で推移しています。

国債価格が高くなると10年国債利回りは下がる

10年国債利回りについてその価格の推移を予想するためには、国債価格と利回りの関係を押さえておくとよいでしょう。

経済の原則から考えると、国債に人気が集まると、国債の価格が高くなり、その逆に10年国債利回りは低くなります

利回りは投資した額に対して年間でいくら回収できるのかの割合を示します。

例えば、100万円投資して年間で5万円の収入が見込めるのであれば利回りは5%となります。

ここで、国債に人気が集まり同じ国債を買うのに110万円支払わなければならなくなった場合と、逆に国債に買い手がつかず90万円で購入できるようになった場合を考えてみましょう。

110万円支払わなければならなくなった場合で収入が5万円だと国債利回りはおよそ4.5%となります。

一方、90万円で国債を変えた場合で収入が5万円であれば国債利回りは5.6%となります。

このように、国債価格が高くなると国債利回りが下がるため、国債に人気が集まると、国債利回りが下がることが説明できます。

株価が上がると10年国債利回りは上がる

また、10年国債利回りは株式などの金融商品にも影響を受けます。

具体的には、株価が上がると10年国債利回りは上がると考えられるのです。

株価が上がっているということは国内外の資金が株式に集まっているということができ、一方で国債の購入に向かう可能性のあった資金が株式に向かっていると見ることもできます。

こうしたことから、経済の原理原則としては株価が上がると国債価格は下がり、結果として10年国債利回りが上がると予想できるのです。

フラット35の金利判断は月の中頃にする

フラット35は、融資実行した月の金利が最後の返済日まで適用されます。

このため、少しでもお得に利用しようと思えば、月の中頃に、その月の10年国債利回りの推移を見て、その月に実行するのか、翌月の実行するのか検討してみるとよいでしょう。

金利に0.1%もの差が生じれば35年間で40万円程得する計算になります。

フラット35であれば年収の10倍以上借入できる?

フラット35は返済負担率や審査金利の関係で、年収の10倍以上借入できる可能性があります。

なお、住宅ローンの返済負担率や審査金利については、以下記事で詳しく解説しています。

住宅ローンで返済負担率と審査金利を使って借入可能額を計算する方法 こんなお悩みを解決します。 住宅ローンの審査では様々な項目がチェックされますが、年収に対していくらまで返済できるのかを表...

借入限度額について

借入限度額とは、年収いくらならいくらまで借りられるのか、という基準のことで、基本的にはこの借入限度額を満たさなければ審査を受け付けてもらえません。 審査基準は金融機関によって異なりますが、だいたい年収の5~7倍程度におさまることが多いようです。

フラット35の返済負担率は年収400万円以上で35%

借入限度額を決めるにあたって、金融機関は返済負担率というものを設定しています。

例えば年収400万円で返済負担率35%であれば400万円×35%で年間140万円までなら住宅ローンの返済に回しても大丈夫という基準を設けているのです。

この返済負担率は年収毎に設定されていることが多く、例えばフラット35は年収400万円以上で返済負担率35%、400万円未満で返済負担率30%となります。

フラット35の審査金利は実質金利

金融機関ごとに住宅ローンの金利とは別に住宅ローンの審査用の審査金利が設けられています。

例えば審査金利が3%であれば、3000万円借り入れた時に月々いくらの返済額となり年間の返済額は返済負担率に収まるかどうかという計算をします。

フラット35の場合、審査金利が住宅ローン金利と同じ低い金利となっています。

年収400万円以上あるかどうかが一つの目安

民間住宅ローンの返済負担率もフラット35と同じように年収毎に分けられているのが一般的です。

そして、だいたいにおいて民間の住宅ローンの方がフラット35よりも厳しい条件となります。

返済負担率の関係で、民間の住宅ローンにおいてもフラット35においても年収400万円以上か以下かで借入限度額に大きな違いがある事が多いです。

例えば、フラット35の場合、仮に審査金利を1.1%とすると

  • 年収380万円で3310万円
  • 年収390万円で3397万円
  • 年収400万円で4065万円
  • 年収410万円で4167万円

となります。 民間の住宅ローンでは審査金利も、返済負担率も厳しく設定されているため年収400万円以下で3,000万円以上の借入限度額を得ることは難しいでしょう。

フラット35はパートやアルバイトでも収入合算可能

フラット35はパートやアルバイトでも年収に含めることができます。

また、勤続年数に関しても長い方が望ましいのですが、3カ月~4カ月程度でも1月辺りの収入から年収を割り出して加算することが可能です。

民間の住宅ローンでは条件として正社員や契約社員、さらに勤続年数3年以上や1年以上といった制限が設けられているのに対して、フラット35は収入合算を利用しやすくなっています。

フラット35は太陽光の売電収入を加算できる

さらに、フラット35は太陽光の売電収入を年収に加算することもできます。

例えば年収が380万円で借入限度額が3,310万円の場合でも、10kwの太陽光を設置することで収入を20万円加算し、年収400万円の借入限度額4,167万円にするといった荒業も可能です。

FP逆瀬川
FP逆瀬川
フラット35は民間の住宅ローンと比べて借入可能額を大きくしやすいですが、実際に返済していけるかどうかをよく検討することが大切です。

フラット35のメリット・デメリット

フラット35は全期間固定の住宅ローンですが、他の住宅ローンと比較した場合メリットもあればデメリットもあります。

フラット35のメリット

フラット35のメリットには以下のようなものがあります。

  • 35年間固定金利で利用できる
  • 年収が少なくても借入可能額を大きくしやすい

それぞれ見てみましょう。

35年間固定金利で利用できる

フラット35の金利はここ数年、非常に低い金利水準を推移しており、また2016年頭にはマイナス金利が導入されることでさらに金利は低くなっています。

もちろん、変動金利や期間固定金利など他の金利タイプも金利も低くなっているのですが、今後数年〜数十年の間に金利が上昇してしまうとそれに伴い返済額が上昇してしまう可能性があります。

年収が少なくても借入可能額を大きくしやすい

すでにお伝えしたように、フラット35は他の金融機関と比べて借入可能額を大きくしやすい特徴が揃っています。

年収が足りなくて希望の借入額を借りれられないような場合にはフラット35を検討してみると良いでしょう。

フラット35のデメリット

一方、フラット35のデメリットは以下の通りです。

  • 金利が高い
  • 自己資金を用意する必要がある

それぞれ解説します。

金利が高い

フラット35は借入時の金利が全期間続くというメリットがある一方、変動金利や固定金利選択型など他の金利タイプと比べると金利が高く設定されていることが多いです。

これは、変動金利や固定金利選択型などにある金利の変動リスクがない分金利が高いと言えます。

とはいえ、現段階で金利が高くとも、将来金利が上昇した場合変動金利や固定金利選択型ではフラット35より金利が高くなる可能性が充分にあります。

この辺りの判断をどうするのかで、フラット35にするか変動金利や固定金利選択型にするかを選ぶと良いでしょう。

自己資金を用意する必要がある

フラット35は、土地、建物代金の9割までの融資が基本となっています。

住宅購入時には土地と建物の代金以外にも銀行への手数料や火災保険、登記費用など諸費用がかかりますが、こうした諸費用で100~200万円程度かかるのに加えて、建物代金の1割を自己資金で用意する必要があります。

民間の住宅ローンでは土地、建物の10割だけでなく、諸経費まで借りられることも多く、自己資金がない場合にはそちらを利用するしかありません。

ただ、フラット35を利用する場合でも金利は高いですが自己資金の1割分や諸経費分まで個別に融資を受けられる場合もあるので、利用を検討してみても良いでしょう。

ABOUT ME
逆瀬川 勇造
明治学院大学卒業。金融機関と住宅会社に勤めた後にそれらの経験を活かしたライターとして独立。2020年に合同会社7pocketsを設立しました。FP2級技能士(AFP)、宅建士