住宅関連

建ぺい率ってなに?建ぺい率オーバーの物件はどうすれば良い?

不動産を購入する時、「建ぺい率」について説明を受けます。

建ぺい率はエリア毎に上限が設定され、建物の面積に制限を受けるため、自分の購入する不動産がどのような制限を受けるのか知っておくことが大切です。

■この記事の執筆者

  • 金融機関と住宅会社に勤務経験のある独立系FP
  • 年間100棟以上販売する住宅会社で営業部長の経験あり
  • Webライターとして不動産関連・金融関連の記事を年間500記事以上執筆

金融機関や住宅会社に勤務経験があり、その後FPとして独立。専門性を活かし、金融や不動産関連の記事を年間500記事以上執筆しています。

FP逆瀬川
FP逆瀬川
土地や中古物件を購入する前には、必ず建ぺい率をチェックするようにしましょう。

建ぺい率とは

建ぺい率をご存知でしょうか。

簡単に言うと、建物を上から見た際にその建物が土地のどのくらいを占めているかの割合を指します。

建ぺい率の計算方法

建ぺい率は、以下の計算式で計算することができます。

建ぺい率=建築面積÷土地面積×100

建ぺい率はエリア毎に上限が設定されており、その上限を超えて建築することができません。

例えば、建ぺい率の上限が50%に設定されている場合、100㎡の土地に対して50㎡の建物を建てることができます。

建築面積とは

ちなみに、「建物を上から見た時の面積」は建築面積と言います。

(建築面積は、詳しくは建築物の外壁またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積と説明されます。)

屋根や地下はどうなるの?

建築面積は先にお伝えしたように建物を上から見た部分の面積のことです。

通常1階部分の面積は2階部分の面積より小さくなるため、一般的な住宅であれば1階部分の床面積だと考えて差し支えないでしょう。

①1m以下のバルコニーや軒の出は不算入

バルコニーや軒の出が1M以下の場合は建築面積に含まれず、1M以上突出する場合は先端から1m後退したところまでを面積として計算します。

②地盤面より1m以上下にある地下部分は不算入

さらに、地下がある場合、地盤面より1mより下にある部分については建築面積に算入されません。

建ぺい率の限度は用途地域ごとに定められる

建ぺい率の限度は、用途地域と呼ばれるエリアごとに以下のように定められています。

用途地域建ぺい率
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
工業専用地域
30%,40%,50%,60%のいずれか
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
準工業地域
50%、60%、80%のいずれか
近隣商業地域60%,80%のいずれか
商業地域80%
工業地域50%,60%のいずれか
用途地域の指定のない区域30%,40%,50%,60%,70%のいずれか
FP逆瀬川
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基本的に、住居系の用途地域は建ぺい率が低く設定されています。これは、採光の確保など快適な住環境を実現するのに必要だからです。

建ぺい率の緩和(防火地域や角地)について

都市計画によって防火地域に指定された区域で耐火建築物を建築する際や、一定の要件を満たした角地にある場合、それぞれ10%の加算を受けることができます。

例えば、第一種低層住居専用地域で建ぺい率が40%の地域で、防火地域に指定された角地による緩和要件を満たした土地のケースで考えてみましょう。

通常、建ぺい率の上限は40%になりますが、防火地域で耐火建築物を建てる場合は10%の緩和を受けられるため50%になります。

また、角地による緩和要件を満たしているためさらに10%の緩和を受け60%とすることができます。

建ぺい率の計算方法(異なる制限がまたがるケース)

建ぺい率は用途地域ごとに定められますが、土地によっては1つの土地の中で2つの異なる用途地域が定められており、それぞれ建ぺい率が異なることがあります。

この場合、指定された用途地域ごとに面積と建ぺい率を掛け合わせ、全体の㎡で割るという加重平均による方法で算出します。

建ぺい率の加重平均=(Aの面積×Aの建ぺい率)+(Bの面積×Bの建ぺい率)÷全体の面積

例えば、200㎡の土地の内、80㎡分が80%に、120㎡分が50%に指定されていた場合、80×80%+120×50%÷200=62%が建ぺい率の上限となります。

建ぺい率オーバー=既存不適格建物は解体しないといけない?

新築住宅で建ぺい率をオーバーする場合は建築の許可が下りないため、間取りを見直す必要があります。

これは特に問題ないでしょう。

一方、中古住宅の中には、過去の法律には適合していたものの、その後法改正がされ、現在の法律では建ぺい率がオーバーしている物件があります。

こうした物件は既存不適格建物と呼ばれます。

建ぺい率オーバーの物件の売買契約では、特約や約款に「建ぺい率が超過しており、違反建築物として監督官庁より是正命令を受ける場合があります」

などと書かれていることがあります。

少し、身構えてしまうような一文ですが、実際には、現在の法律に適合していないからといって必ずしも解体しないといけないわけではありません。

建ぺい率は、日照などを確保するために定められる規制ですがこうした建物は世の中にたくさんあり、これらすでに建っている建物を解体してしまうのは社会的に非合理的だからです。

なお、既存不適格建物には、法改正により不適格になってしまったものと、建てる前から違反建築物だと分かって新築や増築したものがあり、後者の場合は是正勧告を受ける可能性が高いので注意が必要です。

建ぺい率オーバー物件の注意点

建ぺい率オーバー物件では以下の点に注意しましょう。

  • ①同じ大きさでは建替えできない
  • ②建築確認が必要な増築はできない
  • ③住宅ローンが組めない

①同じ大きさでは建替え(改築)できない

建ぺい率オーバーでも、すでに建てられた建物は既存不適格建物として住むことができますが、建物を解体して同じ大きさの建物に建替えること(改築)はできません。

②建築確認が必要な増築はできない

10㎡以上増築する際、建築確認を役所に提出しますが、建ぺい率オーバーした既存不適格建物では許可を得ることができません。

③住宅ローンが組めない

また、中古物件を購入してそのまま住む場合、原則として住宅ローンを組むことはできません。

金融機関はローンの審査時に、購入する物件の担保能力を審査しますが建ぺい率オーバーだと担保能力が低い(無い)と見られてしまうからです。

ただし、どれくらいオーバーしているのか、年収はどのくらいか、土地の担保評価はどのくらいかなど、総合的に判断して、融資承認がおりるケースもあります。

建ぺい率オーバーを適法にできる方法がある?

一軒すると建ぺい率オーバーの物件でも、以下のような方法で適法にできる可能性があります。

  • ①土地を再測量する
  • ②建ぺい率不算入部分を見つける

①土地を再測量する

昔は測量技術も今と比べて劣っていたことから、昔測量された土地は、再測量することで、土地の面積を大きくできることがあります。

もちろん、再測量によって土地の面積が小さくなることもあるので、どっちに転ぶか分かりませんが、建ぺい率オーバー物件の売却を考えている方は再測量を検討してみても良いでしょう。

②建ぺい率不算入部分を見つける

稀にですが、本来は建ぺい率に算入しなくても良い部分を登記してしまっているケースがあります。

本記事でご紹介した軒や庇、バルコニー部分など、建ぺい率不算入となる箇所がちゃんと不算入とされているかどうか計算してみましょう。

建ぺい率オーバー物件は現金取得者にオススメ

建ぺい率オーバーの物件は現金支払いでの売買が基本で、そのため買い手が見つかりづらく、売り手は売却価格を下げなければ売ることができません。

一方、現金でお金を用意できる人で、建ぺい率オーバーの物件を購入してそのまま住む人にとっては相場より割安で物件を取得できるためお得なお買い物をすることができます。

ただし、売却する際には苦労する可能性があります。

まとめ

建ぺい率は土地と建物を上空から見下ろした時に、その割合が何%あるのかの数値の事で、用途地域によりその上限が定められています。

建ぺい率は2階建てや3階建ての住宅であればそこまで気にする必要はありませんが、平屋建てだと建ぺい率内におさまらないこともあるので、土地の面積が小さいとことでは注意が必要です。

  • 建ぺい率の上限を超える建物は建てられない
  • 建ぺい率は用途地域ごとに定められている
  • 建ぺい率の緩和を受けられる可能性がある
  • 建ぺい率オーバーの物件も即解体しないといけないわけではない
  • 建ぺい率オーバーの物件は現金取得者にオススメ
FP逆瀬川
FP逆瀬川
基本的に建ぺい率オーバーの物件は選ぶべきではないといえます。ただし、相場より安い価格で購入できるなどメリットもあります。本記事でお伝えした内容をご確認のうえ、場合によっては建ぺい率オーバーの物件を検討してもよいでしょう。
ABOUT ME
逆瀬川 勇造
明治学院大学卒業。金融機関と住宅会社に勤めた後にそれらの経験を活かしたライターとして独立。2020年に合同会社7pocketsを設立しました。FP2級技能士(AFP)、宅建士